5章 レッスン室の音響環境について

1.防音室に設置した音響配線

ピアノレッスン室に音響配線を入れたのは、私のこだわりであるかもしれません。そしてうちの音楽教室ならではかもしれません。
クラシック専門のピアノ教室にはできないことをたくさんしています。

ピアノとエレクトーンの教室をされている先生はたくさんいらっしゃるかと思いますが、音響に詳しい先生はあまり見かけません。

日頃から音楽スタジオで演奏や録音をしている方からしたら、大したことないと言われそうですが、他のピアノ・エレクトーン教室ではあまり見かけない自宅教室で簡単な録音・アンサンブル演奏 バンド演奏ができるように防音室を作りたかったのです。

録音スタジオの例 機械とケーブルだらけになります。

10年近くレッスンに通ってくださっている生徒さんなら、防音室を作る前の簡易防音レッスン室を覚えておられるかと思いますが、部屋中が配線ケーブルだらけでした。

子どもがレッスンにきても、足元がケーブルで引っ掛かりそうな危ない状況(汗)
これは、音楽スタジオに行かれたことがある方なら想像がつくかと思います。
電子楽器は、ケーブルでつなぐことが基本なので、ケーブルだらけは当たり前。でもせっかく防音室工事をするので、ケーブル関係をすっきりさせたかったのです。

そのために出来上がったのがこれです。ケーブル類を壁の中に埋め込んで、端子口をまとめました。こういう端子口を自宅に作るのは、音響のプロの方もしくは、ミュージシャンの方くらいかと思います。

写真の右側にある接続端子PHONE端子とキャノン端子を特注で工事をしてもらいました。
端子の説明は専門的な話になりますのでここではやめておきますね。
興味がある方は、直接説明しますので声かけてください。

これがあるお陰で、今のレッスン室には足元にケーブルがありません。
今でもパソコンの後ろやミキサーの部分にはケーブルがたくさんありますが、生徒さんの足に引っかかるようなことはなく、工事のおかげで少しはすっきりしたかと思います。

2.ミキサーについて

音楽のプロの方やミュージシャンの方なら、ミキサーを自宅に設置している方は多いと思います。
基本、ミキサーの話しはなかなか生徒さんとしないので簡単に説明しておきますが、以前のレッスン室は、ケーブルとスピーカー3セットありました。

よって、さらにケーブルだらけになっていましたが、今、レッスン室にあるのは、モニタースピーカーのみです。
すべてこのスピーカーから、エレクトーン2台の音、パソコンからの音、ステレオの音、iPhone電子メトロノームなど、すべて音を出すことができます。
これがミキサーの役割です。とても重宝しています。

その他にも、ピアノ生録音したりギターを演奏したりボーカル練習したり、ピアノ弾き語りをしたりマイクを使用するときにも利用でき役立ちます。
ピアノ・エレクトーンのレッスンだけでなく、これらの機械を使用して、スタジオ利用のようなこともできます。興味のある方は声をかけてくださいね。

専門的な話はここではやめておきますが、なぜうちのレッスン室になぜミキサーがあるのか、わかってもらえたかと思います。

3.防音室の音の調整について

普通に部屋をリフォームするのとは違い、出来上がった部屋で楽器の演奏をするということは音の響き方がとても大事になってきます。

ピアノなどの生楽器を演奏する部屋と電子楽器を演奏する部屋はどうすればいいのか?

「クラシック専用のホール」と「バンド演奏をする」ライブハウスとでは全然違います。
その違いをイメージして、自分はどちらのタイプかによって音の響きの好みを作っていきます。

参考資料https://jp.yamaha.com/products/contents/soundproofing/acoustic_conditioning_panels/about_acp/index.html

その昔は、防音室の中に長時間いると耳がキーンとしておかしくなるから、長時間いてはダメとかいわれていましたし、事実、私もその昔Y社の箱型防音室(調音されていない防音室)に長時間入ると、耳がキーンとしていました。

今は、音響技術も進み昔のような現象を感じることは少なくなりましたが、生徒さんに快適なレッスン室を提供したいですから、密閉されることによる起こる現象には気を付けなくてはいけないと思います。

今は、調音パネル、吸音パネル、というものができて響きを調整できますので安心ですね。

4.吸音パネルの設置

いよいよ、防音室も完成し部屋にはいったところ、何もない状態ではかなりの音の響きを感じました。
楽器や物を置くことにより響きも軽減するので、すべてのものを設置してから調音パネルの設置を考えていきます。

色々試した結果、アップライトピアノの横に調音パネルを1個設置することにしました。
それがこれです。

これがあるとないでは全然違います。
なかなか、音の響き等は好みもあるし繊細で難しいですね。

ということで長きにわたり念願の完全防音レッスン室が完成しました。

ここにたどり着くまで大変だったのですが、自宅音楽教室で近隣への音漏れ問題を気にすることなく思いっきり音を出して演奏してもらえる環境を設置できてホッとしたという感じでした。

このレッスン室ができてから、発表会のアンサンブル練習は、他のスタジオを借りることなくこのレッスン室で行うことができるようになりました。
発表会前の忙しいときに、スタジオの空きを探したりする手間もなくなり、快適です。

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