1章 音楽教室立ち上げ&ピアノレッスン防音室の見積もり

1.グランドピアノレッスン室設置の構想

自宅にピアノ用の防音室設置を考え始めたのは、音楽教室を始める前、2008年頃からでした。

音楽教室を始める前に何社かに見積もってもらいましたが、その当時は私自身に知識もなく、インターネットでありとあらゆるサービスを検索できる時代でもなかったため、大手Y社さんのフリーアビテックスや、防音室専門業者さんに見積もりをとって防音室について研究しました。

2008年当時の見積もり書です。

2008年当時で、防音室の設置工事 約300万円。
これにグランドピアノ本体の費用、移動設置・調律にもお金がかかります。

防音室というのは、2020年の今でも安い買い物ではありません。

当初は見積もりされた価格が妥当なのか、防音性能と価格の関係性もよくわからず、あまりにも高額な見積もりに驚いたことを覚えています。かといって、価格を抑えたばかりに、防音性能が落ちても本末転倒です。

わからないことだらけで、私が出せる資金にも限界がある中、次から次へと問題が降り掛かってきます。

のちのちお話ししますが、うちの場合、この金額に追加で消防設備工事が必要になりました。

2.Dolce of music音楽教室 立ち上げと簡易防音

防音室の設置はいろいろな判断が必要だったため、簡易な防音を施して、まず先に独立し音楽教室を自宅で始めることにしました。

グランドピアノレッスン室は、教室が軌道に乗ってから再度考えることにしたのです。

なので、このときに使用していたピアノは、わたしがずっと使用していたアップライトピアノとエレクトーンELS-01Cです。

アップライトピアノはグランドピアノより音は小さいとはいえ、マンションで自宅音楽教室をするにあたり、音の問題は避けて通れません。可能な限りの対策をする必要がありました。

特に上下階、お隣さんにはどれくらいの音が抜けていくのか、とても気になりました。

しかし、こちらからどれくらい漏れていますか?とお尋ねする訳にもいかず、レッスン室に簡易防音をして、音を出すことに気を遣いながらレッスンを行なっていました。

簡易防音をしたことと、音を出すことに気をつけていたお陰かしばらくの間は何も言われることなくレッスンを行うことができました。

3.避けて通れないピアノの音漏れトラブル

今の時代は、昔と違って音が漏れると近隣トラブルの原因になります。

趣味で弾くわけではなく、仕事場の音楽教室です。ご近所迷惑を考えて、生徒さんは昼~19時までの間、レッスン日は週3日程度にしました。

数年間はなんのトラブルもなくレッスンができましたが、「ピアノの音」で問題が起きてきてきました。
ありがたいことに生徒さんがどんどん増えるにつれて、レッスン日を増やしたりレッスン時間を延長する必要が出てきて、毎日のようにピアノを鳴らす日々。

ある日、上にお住まいの方からクレームではなく、

「ピアノを教えてるの?」

と尋ねられました。

「2階下の9階の方からもピアノの音が聞こえるけど、生徒さんたち上手やねぇ」

と、音が漏れ聞こえる話題が出てきて、ヒヤッとしたのを覚えています。

丁寧にお詫びしたところ、

「上手な演奏やから聞こえるのが楽しみ」

と、とても好意的なことをおっしゃってくださり、ご近所騒音トラブルには至りませんでしたが、一日も早くちゃんと防音をしなくてはいけないと思い、真剣に防音室のことを考えるようになりました。

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