1.防音室工事計画 再び
いよいよ本格的に防音室設置の計画を真剣に考え始めたのは、最初の計画から4年が過ぎた2012年ごろです。
それまでにレッスンに来てくれている生徒さんは、まだ防音室工事が入っていない簡易防音をしたレッスン室でレッスンをしていました。また、どちらかといえば、先生の自宅一室感満載のレッスン室でした。
それでも、生徒さんは私の自宅レッスンに通って下さり感謝しかありません。
お世話になっている楽器店さんに「良いグランドピアノがあればご紹介ください」とあちこちに声をかけて、グランドピアノ探しも始めました。
グランドピアノのレベルはピンキリで、高価なものはたくさんあるのですが、自宅教室なんで大きすぎても部屋がグランドピアノで占拠されてしまうし、かといってせっかくグランドピアノを入れるのに音をだして思いっきり弾けないのもどうかと思うし、悩みに悩み、当初のリフォームプランは下記のようなものにまとめました。
この設計図は2019年にグランドピアノを納品した部屋をレッスン室にするために、計画した設計図です。左下側に扉をつける予定でした。
しかし、大きなトラブルに巻き込まれることになりまして、2012年に再浮上したグランドピアノレッスン室の計画は頓挫してしまうことになりました。
思いもよらなかったものが原因になりました。
それは、スプリンクラーです。
現在の消防法によりマンションの高層階、それも11階以上には、スプリンクラーが必ず設置されています。しなくてはいけないという法律があるそうです。まさか、それが原因でトラブルになるとは夢にも思わず…。
2.消防法とスプリンクラートラブル
現在の消防法により、11階以上の建物、防音室の中にスプリンクラーを設置しなければいけないということがわかり、防音室業者ではなく消防設備点検業者(これは必ずマンションの管理会社が決めた業者)に見積もりを出してもらわはなくてはなりません。
早速依頼して来てもらったのですが、とても感じの悪い業者担当者が3人…。
そして、「見積もりするには、天井に穴を空けなければ見積もりができない(?)」と訳わからないことを言われて、わたしが腑に落ちないまま考え込んでいると勝手に作業に入られ、なんと!天井に穴を空けられてしまいました。
最悪なことになってしまい、このことが原因で業者とトラブルになりました。
見積もりに関しては、防音室設置するには、消防法により部屋を区分するのだから、それぞれの部屋にスプリンクラーの移設工事が必要と言われ、それだけで50万の金額を提示されました。
あまりにも見積もり金額が高いので断ったのですが、工事をしないので業者が開けた天井の穴を元にもどしてと言ったら、
「工事するということで見積もりをしたから、それはうちが請け負う責任はない」
と言いはり、業者側は最後まで謝りにも来ず、天井に穴を空けられたまま放り出されました。
そんなことがあるのでしょうか?
天井に穴を開けることについて、キッチリ事前説明なく行ったことに対して、とても許せなくどうしようかと途方にくれました。
3.天井穴あきトラブルの結末
まず、私としては、穴を開けられた天井を元に戻してほしい。それだけでした。
業者を訴え裁判することも視野に入れ、何をしていかなければいけないか考えましたが、そのようなトラブルに合ったこともないため、わたしに知識•情報がなさすぎ、まず情報収集からだと思い行動を起こしました。
- 消防署に出向いていき話を聞いてもらい、消防法を調べました。
- 弁護士さんに相談にいきました。
- 同じマンションの頼りになる方に相談しました。
消防署では、消防法に違反したらどうなるのか?ということと、消防法とはなにか?を教えていただきました。
今の時代、災害も多く、こういった法律や規則に対しては厳しいかと思います。過去の教訓を元に作られているので、思っている以上に細かく設定されていました。
基本、違反に関しては罰金が設定されていて、それを無視し続けると身柄拘束されるみたいです。
次に弁護士さん。
天井に穴を開けられたことについては気の毒ですが、あまりにも条件が細かすぎて裁判を起こして専門的なことで戦っても、勝ち目ナシというのが弁護士さんの話しでした。
和解方向に進めていくのがいいと言われました。
同じマンションの頼りになる方にも、藁をもすがる思いで相談しました。
そうしたところ、天井に穴をあけられた経緯等をマンションの理事会で話しして皆さんに知ってもらい、そういう悪徳業者はうちのマンションから外しましょう!と言ってくださいました。
このことが私にとって一筋の光となり大きくことが動いていくことになりました。
4. マンション消防設備会社の変更
その年のマンションの理事会で、ことの成り行きを住民の皆さんの前で話しをさせてもらいました。
みなさんが口をそろえて、それはひどい業者だ!と言ってくださり、管理会社が決めた業者には辞めてもらい、新しい別の消防設備会社がうちのマンションの担当になりました。
この結末のお陰で、ようやく防音室設置を前に進めていけることになったのです。