1.防音室工事計画 再び
マンションの消防設備会社が新しい会社に変わったことで、ようやく防音室を作る計画を前に進めていけるようになりました。
天井に穴をあけた業者に対しては、とにかく謝罪のみを希望しましたが、最後まで謝罪にきてくれることはなく、後味が悪い形でしたが マンションの業者を変えたことにより私の気持ちも少しすっきりして、二度と関わらなくてよくなり気持ち的には楽になりました。
心機一転 新しい消防設備会社さんとの交渉が始まります。
まず、防音室を設置場所を変更することにしました。(現在のレッスン室です)
以前計画していた図面をもとに、再度防音室業者さんと打ち合わせを進めていく中で、この設計のままいくと、また同じところでつまづく可能性があったので、今回は、できるだけスプリンクラーでダメ出しをされないように消防法を学んで、消防法をクリアできる設計に編集しました。
そして、エレクトーンを2台置くとなると、グランドピアノを設置するのは厳しいということも分かりました。悩みに悩んで、防音室計画はグランドピアノからアップライトピアノとエレクトーンのレッスン室にすることに変更を決意しました。
2.新消防設備会社さんとの見積もり
前回のこともあるので、また何をいわれるのかドキドキしながらの見積もり依頼でした。
ただ、今回は指摘を受けないようにスプリンクラーも移設もせず、既存のものを防音室の中にそのまま引きこむ工事だけでいけるような設計にしましたので、心配していたダメ出しをされる要因はなく、見積もり金額が上がってくるのを静かに待ちました。
前消防設備会社とのトラブルも、当然ご存じの中の見積もりだったので少し便宜してくださったのか、16~7万円という見積もり金額をいただき、ようやく工事に入れることになりました。
(この見積もり金額は、前回のトラブルを考慮すると安く見えますが、消防法の11階以上に入っていなければ発生しない費用なのです。グランドピアノを入れるときもまたこの消防法が浮上します)
とても嬉しかったことを覚えています。
3.防音室工事のための楽器の移動と片付け
防音室工事が始まると、何が大変って楽器と荷物の移動です。
楽器は専門業者さんにお願いしなくてはならないし、荷物はレッスンの合間に自分で全部片付けなくてはいけません。
部屋を全く何もない状態にするのにどれだけの労力が…。
クローゼットの中には、荷物荷物荷物で、これだけのものをどうする?と、途方に暮れながら毎晩遅くまで片付け作業に追われました。
でもこんなことがないと、荷物の整理はしないですから、整理するにはよいきっかけでした。
レコードはさすがに数えるほどですが、MD、DVD、ビデオテープなど、どうしたら良いのかと悩んでいるところに、VHSデッキもこのタイミングで故障(笑)
捨てろということかと思い、どんどん処分していきました。
ようやく部屋をからっぽにして、工事スタートです。
4.防音室工事の様子と壁・床の厚み
元の部屋の跡形もなく、フラットな状態から工事が進み、もめにもめたスプリンクラーの工事も無事終わりました。
左上の緑色のホースが、スプリンクラーです。工事の進行を側でみていて、やはりプロの方の作業はさすがだなあ~と感心しました。
まず、初日は楽器の移動から始まり、レッスン室内のクローゼットをリフォーム。今回、あふれている楽譜を整理しやすいように特注のオリジナルスライド式楽譜棚を作りました。
その工事の業者さんが1日かけてスライド式の棚工事をし、エアコンの撤去をし、スプリンクラーの工事に移ります。
予想外だったのが、スプリンクラーの工事のために、いったん水を停止するのです。そのために消防関係者さんが、数人来られて作業にあたっていました。
翌日は、大量の防音資材関係を搬入し防音壁の工事です。
これは床の厚みです。
今のレッスン室は、廊下から1段上がるレッスン室になっていますが、防音のために床を分厚くしているのです。
なぜこんなに分厚くしたかというと、ご近所さんから音漏れの話を聞いたときに(クレームではなく、ピアノ弾いてるのねという好意的な会話でした)、ピアノ弾いてるな程度かと思っていたら、なんの曲を弾いているかまで分かると伺い、上下階の方にご迷惑にならないように工事内容を調整しなくてはならないと気づきました。
マンションの上下階の方には、今まで我慢して頂きとても感謝しています。
クレームにならずに聞き流していただけたひとつの要因として、ご近所付き合いも大切なのかも知れませんね。
そういうわけで、壁・床・天井の厚みをしっかり作ってもらいました。安心してピアノを弾けるレッスン室になりそうです。
5.防音ピアノレッスン室完成
白い防音ドアを設置して、フローリングを張って、室内もあともう少しのところまで来ました。仕上げに楽器移動をしましたが、これもなんて大層で大変か。。。
そして部屋の中を片付けて素敵なレッスン室完成です。2008年から5年に及ぶ計画が形になって喜びもひとしおでした。
楽器は、ステージア01C・EL900mとアップライトピアノ1台に、スポットライトもつけました。
次の章でもお話しますが、今回の工事で特に力を入れたのが”音響設備”です。楽器を鳴らすだけではなく、レコーディングスタジオとしても使えます。
防音性能も想像していた以上の出来で、ほとんど音は漏れていません。工事は、ホント大変でしたが、生徒さんからの評判も上々でリフォーム大成功という感じです。
あとは、現代建築による防音室は、小空間、壁や床、天井の硬い材質や、気密性の高さが原因となり、音が響きすぎてしまいます。
このような音響障害を改善する為に、調音パネルや吸音パネルを設置して音を調整していきます。
これまた商品がわかりにくいもので大いに悩みそうです。